当社は、2026年度から2028年度までの3年間にわたって取り組む新中期経営計画を策定いたしました。

1.計画期間

2026年4月1日 ~ 2029年3月31日 (3年間)

2.計画の概要

当社は、前中期経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)において、「情報セキュリティが確保され続けることを前提とした上で、収益力の大幅な飛躍とその利益を源泉とした投資サイクルの確立により、サステナブルな成長を目指す」ことを基本方針とし、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。
主な成果として、経営指標は概ね目標を達成しており、経常利益は2期連続、親会社株主に帰属する当期純利益については、3期連続で上場来最高益を更新いたしました。株主還元についても、足元の財務状況や成長投資とのバランスを総合的に勘案した結果、50%まで配当性向の水準を引き上げました。
この結果、自己資本利益率(ROE)は6.0%となり、株主資本コストを上回る水準まで向上しましたが、投資家の皆さまの期待値には届いておらず、また、株価純資産倍率(PBR)も1倍を下回る水準にあることから、中長期的な企業価値の向上が、今後の重要な経営課題と認識しております。
今回策定いたしました新中期経営計画(以下、「本計画」という。)では、下記のとおり経営指標を定め、2031年度のROE8.0%達成を目安として、100億円規模の積極的な成長投資を行い、さらなる収益力の拡大を図るとともに、より株価水準を意識した経営を行うことにより、企業価値を向上させ、PBR1倍以上への引き上げに取り組んでまいります。

【主な経営指標】

(単位:百万円)

前々中期経営計画

前中期経営計画

新中期経営計画

2022年度

(2023年3月期)

2025年度

(2026年3月期)

2026年度

(2027年3月期)

2028年度

(2029年3月期)

実績

当初中計

実績

2022年度比

計画

計画

2025年度比

売上高

23,588

24,200

23,790

CAGR 0.3%

25,700

28,000

CAGR 5.6%

営業利益

993

920

1,404

CAGR 12.2%

1,420

1,900

CAGR 10.6%

営業利益率

4.2%

3.8%

5.9%

+1.7pt

5.5%

6.8%

+0.9pt

経常利益

1,038

1,000

1,605

CAGR 15.6%

1,620

2,100

CAGR 9.4%

親会社株主に帰属する

当期純利益

748

690

1,224

CAGR 17.8%

1,230

1,440

CAGR 5.6%

自己資本利益率(ROE)

4.3%

3.5~4.0%

6.0%

+1.7pt

5.8%

6.4%

+0.4pt

配当性向

26.9%

30~40%

50.3%

+23.4pt

(50~60%)

株主資本配当率(DOE)

(1.2%)

(3.2%)

3.5~4.0%

※CAGR:中期経営計画期間中(3年間)の年平均成長率
※配当性向・DOEの()は参考値

(1) 2035年にめざす姿と本計画の位置付け

事業収益を成長分野と人的投資に積極活用することによって持続的な成長を実現し、企業価値を向上させることを重要な経営課題と位置付け、「2035年にめざす姿」を以下のとおり設定いたしました。

本計画は、2035年にめざす姿の実現に向け、AI利活用によるビジネスモデルの変革を前提とした事業ポートフォリオの変革と、人的資本経営の進化に挑む3カ年と位置付けております。これを踏まえ、本計画期間は、4つの基本戦略とサステナビリティ基本方針を軸に、経営指標の達成に取り組んでまいります。

(2) 本計画の4つの基本戦略

①事業戦略:ポートフォリオ変革

当社の強みを生かせる分野に経営資源を集中投下し、成長領域へのシフトと収益性の高い事業ポートフォリオへの転換を進めます。具体的には、SMBCグループ向けビジネスの着実な成長を下支えとして、高収益が期待できる「ソリューションビジネス」「セキュリティ・デジタル基盤ビジネス」への積極的な投資とリソースシフトを推進します。

②人材戦略:人的資本経営の進化

事業戦略を実現する源泉として人材を位置付け、多様な人材の採用・育成・リスキリングを通じて、一人ひとりの付加価値と組織全体の生産性向上を図ります。個人や会社の成長・変革にチャレンジする人が集まり、育ち、定着する環境・制度の充実を目指します。

③投資・財務戦略:企業価値向上の実現

成長投資と株主還元のバランスを取りつつ、資本コストを意識した投資判断と財務運営により、自己資本利益率(ROE)の着実な向上を目指し、その結果として株価純資産倍率(PBR)の改善も図ってまいります。また、株主還元を重要な経営課題として認識し、株主資本配当率(DOE)を重視した「高水準かつ安定的な配当」を経営指標といたします。

④AX戦略:AI利活用

AIの利活用を推進し、その実践知の蓄積・共有を繰り返すことにより、「事業における戦略的利活用」や「全社の生産性向上」を追求してまいります。具体的には、システム開発における「開発プロセスの抜本的変革」「新たな価値の創造」や、AIとの共創による「営業効率向上」「営業力強化」、社内事務作業などの「間接業務の生産性向上」等を目指してまいります。

なお、サステナビリティ基本方針に関しては、本計画策定とあわせて改定しております。詳細については、2026年5月13日公表「サステナビリティ基本方針の改定に関するお知らせ」をご参照ください。

(3) 経営指標

①財務目標

(単位:百万円)

前中期経営計画

新中期経営計画

2025年度

(2026年3月期)

2026年度

(2027年3月期)

2028年度

(2029年3月期)

実績

計画

計画

2025年度比

売上高

23,790

25,700

28,000

CAGR 5.6%

営業利益

1,404

1,420

1,900

CAGR 10.6%

営業利益率

5.9%

5.5%

6.8%

+0.9pt

経常利益

1,605

1,620

2,100

CAGR 9.4%

親会社株主に帰属する

当期純利益

1,224

1,230

1,440

CAGR 5.6%

自己資本利益率(ROE)

6.0%

5.8%

6.4%

+0.4pt

項目

計画終了時点の目標

備考

 ①株主資本配当率(DOE)を

 ベ ースとした株主還元     

3.5~4.0%

DOEを指標とし、高水準かつ安定的な配当

②戦略的成長投資

3年間で

100億円

キャッシュアロケーション方針に基づく、積極投資を実施

②非財務目標

項目

計画終了時点の目標

備考

①【人材への投資】

 一人当たり年間教育・研修投資

年間12万円以上

売上高比率「0.6%以上」を目安とし、継続的な投資を実施

②【多様性の受容と活躍】

 従業員アンケートにおける

 エンゲージメントスコア

年1回以上、

従業員アンケートを実施

結果を施策反映

人材戦略における従業員の成長に資する取組みを通じて、従業員エンゲージメントの向上を図る

③【多様性の受容と活躍】

 男性育児休暇取得率

100%

「女性活躍推進法」に基づく一般事業主行動計画に則した取得支援を実施

④【多様性の受容と活躍】

 管理職に占める女性の割合

10%以上

「女性活躍推進法」に基づく一般事業主行動計画に則したキャリア支援を実施

⑤【セキュリティリスク対応】

 連結売上高セキュリティ

 投資比率

0.5%以上の
水準維持

「(一社)日本サイバーセキュリティ・イノベーション委員会」が推奨する大企業向けの指標値である「0.5%以上」を目安とし、継続的な投資を実施